「天壌無窮の神勅(てんじょうむきゅうのしんちょく)」
大神は、大八洲(日本)を安らかな國になさろうとして、御子孫をこの國土にお降しになることを、お考えになっていました。當時大八洲には、多くの神々があり、中でも須佐之男命の御子、大國主神は勇気もあり、なさけも深く、出雲地方をなつけて、勢が最も盛んでありました。そこで大神は、御使いをおつかはしになって、君臣の分をお示しになり、国土の奉環をおさとしになりました。大國主神は、つつしんでその仰せに従はれました。大神は、その眞心をおほめになって、大國主神のために、りっぱな御殿をお造らせになりました。これが出雲大社の起源であります。
いよいよ皇孫のお降りになる日がまいりました。大神は、御孫邇邇芸命をおそば近くにお召しになって、「豊葦原の千五百秋の瑞穂の國は、是れ吾が子孫の王たるべき地なり。宜しく爾皇孫就きて治せ。さきくませ。あまつひつぎの隆えきさんこと當に天壌と窮りなかるべし。と、おごそかに仰せられました。萬世一系の天皇をいただき、天地とともにきはみなく榮えるわが國がらは、これによって、いよいよ明らかとなりました」
戦前の国定教科書より
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